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Dr.石川の健康長寿ナビ vol.11

テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に健康で長生きするためのコツを教えていただきます。

1年で最も寒い時期となりました。今月は「心臓の話」です。

2月「心臓の話」(寒さ→心筋梗塞)

待春を歌った童謡に、

♪春よ来い、早く来い、歩き始めたミヨちゃんが、赤い鼻緒のじょじょはいて、おんもへ出たいと待っている

があります。厳しい寒さの中で春を待っている子どもの気持ちを、ほのぼのと伝えているいい歌だと思います。でも、本当は春の訪れを心待ちしているのは、子供ではなく高齢者ではないでしょうか。

寒さは心臓にとっては有難くない季節なのです。高齢になりますと、心臓に酸素と栄養を供給している冠状動脈の内側の壁には多かれ少なかれコレステロールが詰まったニキビのようなプラーク(粥腫(じゅくしゅ))がいくつもあるのです。寒さに身をさらすことで血圧が急上昇しますと、このプラークが突然、破裂することがあります。ニキビを無理につぶすと白い脂の塊が飛び出し、そこから出血することがありますが、それと同じように、プラークが破裂するとそこに出血が生じます。すると、その出血を止めようとして血小板が集まってきてカサブタのような塊ができて、血液の流れを妨害するようになります。この血流妨害の程度で、急性心筋梗塞になったり、狭心症になったり、心不全になったり、不整脈が出現したりします。

今が1年で最も寒い季節です。できるだけ暖かくして春を待つことにしましょう。

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