Dr.石川の健康長寿ナビ vol.8
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に健康で長生きするためのコツを教えていただきます。
朝晩はだいぶ冷えるようになってきました。今月は「冷えの改善」です。
11月「冷えの改善」
冷えを感じる季節は、冬が最も多く、ついで秋から冬、一日のうちでは、就寝前が多く、ついで朝です。また、寒冷時や雨天のときにひどくなります。冷えを予防するには、外からと内からの冷えを防ぎ、そして、体を温めることです。
外からの冷えを防ぐには、暖かい服装にすることです。大きな血管がある下半身を保温性の高い、ゆったりとした下着で温かくするのが効果的です。きつい下着や洋服は血液の循環を妨げ、冷えを増悪させます。
内からの冷えを防ぐには、体を温めるものを食べることです。食べ物には、体を冷やすもの(冷性)と温めるもの(温性)とがあります。温性の食べ物の代表的なものは、しょうが、ねぎ、にんにく、ごぼうなどの根菜類です。冷性の食べ物としては、葉もの野菜、トロピカルフルーツ、大豆、豆乳、コーヒー、スナック菓子、チョコレートなどがあります。
体の中で、とくに足や腹を温めると効果的です。42度くらいの熱めの湯にくるぶしまでつける足湯や腹や腰を使い捨てカイロなどで温めるのも効果があります。
冷えの原因になる病気としては、低血圧、貧血、甲状腺機能低下症などが多いのですが、そのほかに、動脈系の循環障害(バージャー病、動脈硬化など)と静脈系の末梢循環障害(静脈瘤など)があります。また、痩せていること(熱を産生する筋肉が少ない)も肥っていること(皮下脂肪が氷のうで冷やしているようになる)も冷えをきたしやすくしています。