HOME > 健康コラム > Dr.石川の健康コラムベストセレクション > Dr.石川の健康長寿ナビ vol.3

Dr.石川の健康長寿ナビ vol.3

テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に健康で長生きするためのコツを教えていただきます。

うっとうしい梅雨の季節におくる第3回目は、「頭痛の話」です。

6月「頭痛の話」

頭痛は大きく3つに分けられます。その第1は、アイスクリームなどの冷たいものを食べたり、二日酔いや疲れたときなどに認められる心配のいらない頭痛、第2はくも膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下出血、髄膜炎といった頭の中の病気によって起きる心配な頭痛、そして、第3は脳に異常はないが厄介な慢性頭痛です。

この3つの頭痛の中で最も多いのが慢性頭痛です。慢性頭痛には片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛があります。片頭痛と群発頭痛は耐え難いほどの痛みで、いずれも脳の血管が拡張して周囲の神経を刺激するための痛みです。

緊張型頭痛は、対人関係などの精神的ストレスやパソコンなどの作業でずっとうつむいた姿勢でいるといった身体的ストレスにより、脳内の痛みの調節機構がうまく働かなくなったために生じるものです。

片頭痛は女性に多く、月に1、2回あるいは週に2、3回起こり、痛みは数時間から数日続きます。頭の片側または両側がズキズキと拍動するように痛み、頭痛のときには光や音に敏感になります。

群発頭痛は男性に多く、1年のほぼ決まった時期や1日のある時間帯に起こり、目の奥がえぐられるような強い痛みです。緊張型頭痛には男女の差はなく、ほぼ毎日でも認められ、長時間続くことがあります。頭全体が締め付けられるような痛みやふわっとするめまいを同時に認めることもあります。また、頭や肩や背中が凝ったりもします。

頭痛薬を乱用することが頭痛の原因になることがあります。それは、頭痛が起こる→早めに鎮痛薬を飲む→脳が頭痛に対して敏感になる→頭痛が悪化する→さらに鎮痛薬を飲む、という悪循環が起こるからです。このような頭痛地獄から抜け出すには、とにかく鎮痛薬の連続服用を中止しなくてはなりませんが、それには医師による頭痛の専門的な治療が必要なことが少なくありません。

うっとうしい梅雨の季節、しっかりと体調管理をしてください。

ベストセレクション