Dr.石川の健康長寿ナビ vol.1
テレビやラジオでお馴染の石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に健康で長生きするためのコツを教えていただく連載をスタートします。
第1回目は、テレビCM「おはよう!けんぽれん」(2012年3月まで放送)でもご紹介いただきました「一十百千万のすすめ」をさらに詳しく解説していただきます。
4月「一読、十笑、百吸、千字、万歩のすすめ」
「一読、十笑、百吸、千字、万歩のすすめ」とは、「心身ともに健康で長生きするための知恵」を簡単にまとめたものです。
一読とは、一日に一度は少し堅めの文章を読みましょうということで、お薦めは新聞の社説です。社説を読むにはせいぜい10分もあれば充分でしょうから、それほどの苦痛にはならないでしょう。これだけでも結構いい頭の体操になり認知症予防の一助になります。
十笑とは、一日に少なくとも十回は大笑いするようにしましょう、ということです。笑うことで免疫機能が強化され、がんの進行が抑制されることが明らかになってきました。
百吸とは、一日に少なくとも百回は深呼吸しましょう、ということです。深呼吸すると、副交感神経の緊張が高まり、神経の高ぶりが治まり、脈拍は遅くなり、血圧は下がり、筋肉の緊張が低下し、動脈中の酸素が増加します。
千字とは、一日に千字くらいは文字を書きましょう、ということです。日記や手紙を書くのがいいでしょう。文章を書くにはいろいろと頭を使わなくてはなりませんし、ときには辞書を引かなくてはなりません。これは認知症予防に役立ちます。
万歩とは、説明するまでもなく一日に一万歩は歩きましょう、ということです。足は第二の心臓とも言われ、歩くことで下肢にたまっている血液が心臓に戻りやすくしています。また、歩くことは骨に加重をかけることで骨芽細胞を刺激し、破骨細胞の働きを抑制するので骨粗しょう症の予防にもなります。さらに歩くことは、メタボリック症候群の予防と治療、ストレス解消、認知症の予防に役立ちます。
さあ、思い切って、「一読、十笑、百吸、千字、万歩」を実行してみませんか。